見た目だけでなく着ても快適ですので、ここぞ!というときにはシャツに投資するのもお薦めです。そういう上賢の生地で作られたシャツは、型紙にも工夫があり、袖口のカフスや襟つけの部分が人体に沿うようにカーブで裁断されているなど、さらに着心地が良いものである場合も多いです。また、太めの糸で織られた生地の場介、マットで光沢感がなく、よりカジュアルな印象になりますので、日常使いやビジネスカジュアルにお薦めです。シャツの色は白と水色が基本だと考えてください。無地の白シャツで物足りないという方は、同じ白でも生地の織り方によって模様が入ったものを選ぶのも良いでしょう。光沢感もあり、少し華やかな印象になります。水色はあまり濃すぎない色がいいでしょう。そこから少し幅を広げたいなら、白に近い薄く色づいたピンクやイエロー、白地や薄い水色地にシンプルなストライプが入ったものも良いと思います。
シンプルなおしゃれの大人の女性に会った。電車で隣合わせたその人、二人連れで話の内容が耳に入る。いつもなら文庫本に没頭しているのだけど、本を閉じて話を聞いてしまう。普通の主婦たちの会話だ。そこのところで少し嬉しくなる。仕事を持っていておしゃれな人とはまた違う、どこか肩の力を抜いたおしゃれが気持ちいい。おしゃれをしましたの、ごらんあそばせというのは駄目、嫌味にしか映らない。日常の暮らしぶりがしなやかで、そんな表情がファッションに表れる、という自然な形が素敵だと思う。隣合わせた女性はそんな人だった。サマーニットに細い金の鎖、タイトスカートは紺色のストライプ、素足にローヒールの靴。その素足というところが、フランスの海岸通りで出会ったおしゃれな人をなぜか連想させる。夏服にストッキングというのは野暮だ、というのをどこかで読んだことがある。そうかもね、と思いながらも足が痛くなりそうとか、靴が汚れそうと考えて、私はストッキングを離せないでいる。そんな足元をチラチラ盗み見ながら、素足というのはなかなかセクシーだと思う。
チャールズニ世による「衣服改革宣言」でスーツのシステムが誕生してから、十九世紀にラウンジ・スーツが世界制覇をするまでの歴史である。ただし、チャールズ二世が宣言した「新しい衣装一式」が具体的にどんなものであったかを見る前に、それ以前の男性はいったい何を着ていたのかを知っておく必要がありそうだ。少し時を遡ることを辛抱していただいて、まず、チャールズ二世の父の世代を見てみよう。英国王チャールズ一世(一六〇〇−二八四九年)の端正なディトーズ姿をご覧いただきたい。上半身、シャツの上に着ているのはダブレットと呼ばれる、上体にぴったりと沿うタイプの短めの上衣である。キルティングなどの二重仕立てになっているのでこう呼ばれる。下半身はホウズ(水をまくホースと同じ綴り)という半ズボン状の衣服である(のちには、「ブリーチズ」と呼ばれはじめる)。この「タブレット&ホウズ」の組み合わせは、十五、十六世紀から一六七〇年頃までずっと、男性服の基本システムであった。これにマントをはおれば男の正装のできあがりである(ちなみにマントなしの「タブレット&ホウズ」には「軽装」「仕事着」の意味もある)。
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